美容や健康の維持に役立つイソフラボンという健康成分は、日本食と大変深いかかわりをもっています。
イソフラボンは、ポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは、植物が紫外線や外の厳しい環境から身を守るために分泌しているもので、種子や皮などに多く含まれる成分です。
苦味や渋みが特徴で、イソフラボンの他にも、カテキンやアントシアニンなどもその一種です。
動物性の食材にはない成分で、主にマメ科の植物に豊富に含まれるポリフェノールが、イソフラボンです。
中でも、特に代表的なのが大豆イソフラボンです。
イソフラボンが豊富なものは、日本食の味付けに欠かすことのできない味噌、醤油などの大豆調味料に始まり、豆腐、納豆、油揚げ、おから、きなこなどの大豆食品です。
これらは、私たち日本人にはなじみの深いものばかりですね。
最近、健康志向の海外の人々からも和食が注目を集めています。
そしてこれら大豆食品は、和食の中でもヘルシーな食材の一つです。
大豆のような低GI食品は、血糖値を上げにくく、コレステロールを下げるなど生活習慣病の予防に効果があります。
また、昔からイソフラボンが豊富な大豆製品を多く食べてきた日本人は、食べる習慣のない欧米の人々に比べ、女性の乳がんの発生率が低いという研究結果があります。
男性特有のがんである前立腺がんの予防や、進行を抑制するはたらきもあることから、男性も女性も特定のがん予防に効果があるといえます。
さらに、イソフラボンには骨粗しょう症、更年期障害など多くの病気や症状を改善させる作用があります。
若いうちからイソフラボンを摂取する習慣をつけることが一番ですが、特に更年期以降の女性と中高年の男性におすすめします。
和食に欠かすことのできない大豆がもたらすこれらの効果は、日本人の寿命を延ばしている理由のひとつといっても過言ではないでしょう。
しかし、現代人の和食離れや不規則な生活によって、日本人の大豆イソフラボン摂取量は年々減ってきています。
忙しいからと食事を抜くことが多かったり、肉中心の欧米化した食事ばかりでは、健康的な食生活とはいえません。
できるだけ和食を中心とし、大豆製品を取り入れた食事をするよう心がけましょう。
イソフラボンのほかにも食物繊維やたんぱく質、カルシウムなども豊富な大豆製品。
食事での摂取が足りないと感じたときは、サプリメントを活用するなどして補うことができます。
健康のためにも美容のためにも、毎日積極的に摂取したい食品ですね。