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イソフラボンと善玉コレステロール
女性ホルモンは、女性が女性らしい一生を送るために欠かせないホルモンです。
女性的な見た目をつくり、妊娠、出産にかかわるなどさまざまな役割がありますが、実はそれだけが仕事ではありません。
女性が男性よりも、心臓病や脳卒中などの重篤な病気にかかりにくいといわれているのは、女性ホルモンのひとつ、エストロゲンが女性を病気のリスクから守っているからなのです。
1.動脈硬化
日本人の死因では、心臓病、脳卒中はがんに次いで多い病気です。
そしてどちらも、動脈硬化が原因となっています。
動脈硬化は、血管に中性脂肪やコレステロールが蓄積し、血液がどろどろになって流れにくくなる症状です。
加齢によってリスクが高まるといわれていますが、高カロリー、高脂肪な食事をとり続けると若年層の人でも発症する可能性があります。
2.コレステロールへの影響
エストロゲンには、悪玉コレステロールを減少させるとともに、善玉コレステロールを増加させるというはたらきがあります。
こうしてコレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防することで、男性よりも女性の心臓病、脳卒中の発症リスクを下げています。
しかし更年期に差しかかると、女性の体内では以前のようにエストロゲンを分泌できなくなります。
そうするとどうなるのでしょうか。
コレステロール値のデータを年代別に見てみると、50代までの女性は、男性よりもコレステロール値が低いまま遷移します。
しかし50代を超えると、一気に男性のコレステロール値を上回ります。
これは更年期に入り、エストロゲンの分泌量が低下するために、動脈硬化の発症リスクが上昇することをあらわしています。
3.イソフラボンのはたらき
イソフラボンは、植物性エストロゲンです。
これは植物由来の成分で、分子構造がエストロゲンに似ていることから、同様の役割を果たすことができるとされるものです。
イソフラボンには、脂質が改善され、血管をしなやかにして血流を促す、というエストロゲンと同様の動脈硬化予防効果があることが、これまでの研究によって分かっています。
50代以降はコレステロール値の上昇のみならず、更年期障害に悩まされる女性も増える年代です。
更年期障害もエストロゲンの不足からくる病気ですから、イソフラボンをとることでエストロゲンを疑似的に増加させ、予防や症状の改善に役立てることができます。
日頃からカロリーの高いものや脂肪分の多いもの、肉中心の食生活をやめ、イソフラボンが豊富な大豆からできた食品を食べる習慣をつけましょう。
または、サプリメントでの補給も手軽です。
とくに更年期以降の女性は、骨粗しょう症の予防にも効果があるとされていますから、積極的な摂取をおすすめします。